2月8日から3月10日まで、練馬区議会も平成24年度予算審議としての第4回定例会がスタートします。
税収入が13億円の減収となり、基金を取り崩してでも、区民サービスは変えないと区長の意向があるが、それでよいのか…。今こそ、区の持っている資源を活用した独自性の産業活性が重要ではないか。
以前、TPP問題に向け、ちょうど一年前の議会にて一般質問をした内容を再度掲載します。
今、国ではTPP加 盟の是非をめぐる議論が続いていますが、内閣府や経済産業省が加盟した場合の経済効果や加盟しない場合の損失を試算する一方で、農水省は、廃業農家による 代替の生産活動が一切行われない場合には、11.6兆円の損失と雇用340万人減など、農業者や関連業者にとってかなり深刻な試算も示されています。
練馬区農業振興計画素案に対するパブリックコメントに、TPPに 加入した場合、練馬区の都市農業ビジョンはどのようになっているのか、という質問がありました。これに対し区は、加盟することによって貿易の拡大による経 済成長が期待される反面、国際競争力が不足する農業等への適切な対応が行われることが必要。農業振興計画に示す将来像と4つの基本目標を示し、それを推進 していくため基本方針に基づき施策を取り組む、などと回答しています。
今後、農業が本格的な国際競争にさらされた場合、農業者に対する保護施策と同時に、競争力強化のための取り組みが必要であり、とりわけ規模の小さな都市型農業については、更なる高品質化やブランド化がかぎになると考えられます。
今、CAS(セ ルズ・アライブ・システム)という凍結技術に注目が集まっています。この技術は、凍結しても細胞が破壊されず、解凍後も凍結前の鮮度、うまみ、食感、色等 が損なわれないことから、新鮮な生の食材の安定供給が可能となり、産地間格差の縮小とともに、市場の動向に応じて値段の高いときに出荷できるメリットもあ ると言われています。
昨年11月、第1次産業、2次産業、3次産業の性格をあわせ持つ第6次産業を促進することを目的とした、いわゆる6次産業化法案が成立いたしましたが、CASなどの先進的技術は農業の6次産業化を促進するものと考えます。
そもそも都市農業には、生産地と消費地が近接しているため、消費者が求める新鮮で 安全な農産物が供給されるメリットがあります。更に、地場農産物の学校給食への安定供給化や高品質化、ブランド化による全国展開などを見据え、都市農業に おける農業の第6次産業化の意義と可能性についてどのようなご認識をお持ちでしょうか。お伺いいたします。と質問。
区の答弁は、
23区中で最大の農地面積を有する練馬区にとって、農業は本区を特徴づける重要な産業であります。特に、近年は、良好な環境の保持や食の安全・安心の確保などのさまざまな観点から、都市農業の意義は一層高まっております。
私は、こうした本区の農業を振興するため、これまで都市農地保全推進自治体協議会 の設立や、練馬区基本構想における、ねりま未来プロジェクトへの位置づけなど、積極的かつ多様な農業政策を実施してまいりました。こうした取り組みをもと に、更に本区の農業を発展させるため、現在、平成23年度からの農業振興計画の策定に取り組んでいるところであります。
この計画案では、本区の農業が70万区民の暮らしを豊かにするものとなるよう、練 馬区の農業の将来像を「区民の信頼と元気な経営により、『農の豊かさを実感できるまち、練馬』を築く都市農業」と定めたところであります。この将来像を実 現するために、農業者の所得の向上を目指し、農業経営基盤強化促進法の規定に基づく認定農業者制度を導入し、区の農業を支える中心的な農業者を総合的に支 援してまいります。
また、経営規模が小さくても、都市農業・農地の多面的機能を活用し、意欲的に取り 組んでいる農業者を支援するため、区独自の(仮称)都市型認定農業者制度を創設いたします。平成23年度からの4か年で認定農業者は55人、(仮称)都市 型認定農業者は25人を目標とし、経営力の強化を図るための機材の購入や施設の整備の補助等を行ってまいります。
次に、都市農業における6次産業化についてであります。
農産物の生産、加工、販売を的確に連携させることにより付加価値を創設し、高める 6次産業化は、低い水準にとどまることの多い農業収入を増大させることから、農業の持続的かつ健全な発展にとって重要であります。とりわけ経営規模が小さ い本区のような都市の農業にあっては、その意義は高いものと考えております。
そこで、区では、これまでも東京一の生産量を誇る区内のキャベツを生かした練馬野 菜餃子や、ブルーベリー農家、イチゴ農家と菓子店や酒店が連携した新製品の開発を支援してまいりました。更には、昨年から練馬区で生まれた日本初の国産 ビール麦、金子ゴールデンを使用した練馬金子ゴールデンビールを製品化するための取り組みを、東京あおば農業協同組合とともに進めているところでありま す。
私は、練馬の農業が持つ大きな力を、区内の商工業者の知恵と意欲、そして区民の理解と協力に結びつけることが区の役割であると考えており、これからも農業の6次産業化をはじめとした都市農業の振興に力を尽くしてまいる所存であります。
私からは以上です。
「今のままでより高めていくだけ…」との答弁に終始しているようで、積極性が見えず危機感すら感じています。
1年前より産業が低迷しているだけに、政府が女性に着目をしてきているのは、民主党政権らしいと思えるが、とにかく新しい風を入れなくてはという姿勢が見えてきました。
1月10日に、さいたま市で行われた「女性農業者の促進と支援」の農水省の会合に参加してきました。女性たちも参加しやすく、発想が豊かな知恵を出し合い6次産業への支援に力を入れていくとのこと。
さて、この練馬区で女性農業者の育成が可能かと考えた場合、女性の発想を受け入れていくような雰囲気もJA次第という感じです。そして、区は「それよりも税優遇と担い手対策整備への政策が先でしょう」と言うでしょうか。
ですがあえて、都市型農地保全の会長を務めている練馬区なのだからもう少し積極的になってもよいのでは……。
みなさんはどう考えますか。